この本は、「世界神話」という少し曖昧で、しかし魅力的な概念を扱っている。
ただし、ここでいう世界神話とは、単に世界各地の神話を集めたもの、という意味ではない。
むしろ筆者が関心を向けているのは、世界各地に存在する神話のあいだに見られる共通の構造やモチーフ、そしてそれらの連関である。
世界神話という言葉には明確な定義が与えられているわけではないが、本書の議論を自分なりにまとめると、次のように理解できる。
すなわち、民族の移動や地域間の交流によって神話が伝播し、その過程で似たような物語やイメージが各地に残るようになる。
そうした「似ている神話」の背後にある共通性やつながりに注目し、人類規模で神話を捉えようとする視点――それが本書のいう「世界神話」である。
この見方に立つと、神話はそれぞれの地域に閉じたものではなく、移動し、変形し、重なり合いながら広がっていくものとして見えてくる。
これとは別に以前に読んだ「世界のはじまりの神話学」、これも似たような神話の伝播について述べられているが、
本書はより神話ごとの共通性や関連性、事例について詳しく扱っている。
入門と銘打っているものの入門とは思えないほど難しい。
まずは世界のはじまりの神話学を読んだ方が良いだろう。
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本書を読んだ感想
最初に率直に言うと、この本、かなり読みにくい。
論理関係がわかりにくいし、文章もうまいとは言いがたい。
そもそも何が主張なのか見えにくい。主張を述べたかと思うと、そのまま例を大量に列挙していく。
主張に沿った例だけが挙げられるならば、理解しやすいが、反例も出現する。しかも反例となる根拠が明確に示されているわけでもない。
筆者の中にはたぶんプリンシプルがあるのだろうけど、読者に「こういう筋道です」と見せる書き方ではあまりない。なので、こちらで勝手に整理しながら読まないと頭に入ってこない。
ただ、価値がないかというと、全然そんなことはない。
神話構造の比較とか神話の伝播については、おもしろいことが書かれている。(ただこれも体系的に書かれているわけではない)だからこの本は、前から順番にまじめに読むというより、斜め読みしつつ、目に止まったところを深読みするほうが向いていると思う。特に各節の後半にいくほど話がとっちらかってくるので、前半のアイデアだけ拾うくらいでも十分収穫がある。
以下、読んでいて引っかかったところを、自分の理解のためにも整理しておく。
神話の形成、定義に関する話題
神話は世界に散らばっているけど、バラバラではない
この本の中心にある発想はたぶんこれだと思う。
世界各地の神話には、共通する物語、共通する構造、隣接地域における連続性がある。そしてそれは、単なる偶然というより、もともと同じものが変形したり、人の移動にともなって伝わったりした結果ではないか、という見方である。
例として出てくるのは、
- ギリシア神話、ケルト神話、インド神話の共通性
- エジプト神話と日本神話の共通性
- シベリアからアメリカにいたる口承神話の共通基盤
- 太平洋の島々にひろがるマウイ神話
- インドネシアの「ワニと兎」と因幡の白兎の類似
など。
本書の言う「世界神話」は、単に世界中の神話を集めたものではなく、世界に共通する思考形式と、文化の交流によって生じた神話の共通性を、人類全体のスケールで捉える概念なんだと思う。
神話って普通は「ギリシア神話」「日本神話」「北欧神話」みたいにパッケージ化して理解しがちだけど、この本はむしろ、それらは相互に影響しあい、融合しあい、変形しあってきたものだと見る。日本神話のなかですら、出雲や日向の神話体系があって、それらが相互作用しながらまとまっていったという見方をする。
つまり神話は固定された体系ではなく、移動し、接触し、混ざるものとして読むべきだ、ということなのだろう。
神話のつながり具体例
海洋攪拌神話の繋がり、オノゴロ島、エジプト神話のベンベン丘みたいな話が出てくる。
ヒルコの話もエジプトに起源があるのではと筆者は言う。
この時点でだいぶ大胆だなと思うし、証拠はどこまで強いのか怪しいところもあるのだけど、少なくとも発想としては刺激的だった。
特に印象に残ったのは、人の移動が物語を伝えたという視点である。古代社会が十分に成立する前、神話は世界を知るための情報源でもあった、という見方もおもしろい。神話を単なる作り話ではなく、世界理解の形式として見る視点がある。
神話と昔話の境界はかなりあいまい
この本では、神話と昔話、民話、叙事詩の区別にもそれなりにページが割かれている。
正直、自分はこのあたりにはそこまで興味を持てなかった。「おおよその定義はできるが、明確に区別はできない」という話で、まあそうだろうなという感じではある。
でも、その議論そのものより、実例として挙げられる比較は面白い。
- アンドロメダ神話の七つ頭の竜 → ヤマタノオロチ
- なくした釣り針型の話 → トヨタマヒメ神話との比較
- 因幡の白兎 → インドネシアのワニと兎、ワニと豆鹿
- オオナムチの根の国訪問 → ヨーロッパの「悪魔の娘」型説話
- スサノオから天の沼琴を取ってくる話 → 「悪魔のヴァイオリン」に類似
このへんを見ると、日本神話って思っていた以上に、世界の昔話や説話モチーフのネットワークのなかにある。
神話と昔話の境界そのものより、日本神話を世界的な話型の一変形として見られること、これは面白い。
宗教は規範を与えるが、神話はそうではない
本書には、宗教と神話の違いについて、宗教は人間行動を規範するが神話にはそれがない、という話も出てくる。
ここは雑に言えば、神話は教義ではない、ということだろう。
このへんも定義論そのものにはそこまで惹かれなかった。
個人的には読み飛ばしていいと思う。
神話は国家によって統合される
本書では、国の成立、文化的つながり、征服などが神話の形成に大きな影響を与えるとされる。統一王権の安定した治世が、統一神話を作る。
- 出雲神話+大和神話 → 日本神話
- ギリシア神話+ローマ神話 → ギリシア・ローマ神話
- テーバイ神話+メンフィス神話 → エジプト神話
- クレタやフェニキア、各都市国家の伝承の統合 → ギリシア神話
- クレタの神話+フェニキアの神話+アテネやスパルタの都市国家の神話+イオニアやペロポネソスの諸地域の神話→ギリシャ神話
- メソポタミアにおける神話、シュメール→アッシリア→バビロニアと統一王権の変遷があるが、神話もある程度の同一性をもつ。イナンナ、イシュタル、アスタルテは同一神格の継承
これはかなり大事な視点だと思う。
神話は昔から完成された形であったのではなく、政治的統合に対応して再編集される。共同体が大きくなれば、その共同体にふさわしい起源神話や秩序神話が必要になる。
日本神話も最初から「日本神話」だったわけではなく、複数のローカルな神話が束ねられていったと考えるほうが自然なのだろう。
それはすなわち、日本書紀に対する風土記みたいなものだ。
人の移動が神話を運ぶ
- 遊牧民がユーラシアを移動して神話を各地にもたらした(ex. ゲルマン大移動)
- イラン系アラン人がイギリスにわたりアーサー王伝説が形成(神話学者リトルトン)
- 黒海沿岸にてギリシャ文化の影響を受けたスキタイ族の文化がツングース系遊牧民によって朝鮮、日本にもたらされた(一部の神話学者)
- カフカス北部のクルガン墳丘を築いた人々の文化がヨーロッパの古層文化を形成した(考古学者ギンブタス)
そうした過程で神々の習合、統廃合みたいなことが起きたはず、個人的にはそうしたところに興味がある。
月の時代と太陽の時代
本書で繰り返し出てくるのが、文字を持たず統一王権もない時代には月信仰が優勢だったという話である。
月の女神は蛇の形をとり、人々と交わる(という形が多いということ?)。そこから蛇女神神話が広く見られる。
蛇女神の例としては
- メリュジーヌ
- トヨタマヒメ
- クン=アイ
- 作帝建神話
- ガンガーとシャンタヌ
農耕社会になり、王や戦士や祭司が現れると太陽神崇拝が優勢になる。
この月から太陽への移行が、日月の葛藤神話として日本やアメリカや東南アジアで語られる、というのが筆者の見立てらしい。
社会構造の変化が神話の主役交代として表れるとのことだ。
日本の日月の葛藤神話とはアマテラスとツクヨミとウケモチノカミの話のことを指しているのだろうか。
世界創生神話の型
本書では世界創生神話にもいくつか型があるとされる。
- 潜水型
- 島釣り型
- 攪拌型
- 洪水神話型
伊弉諾・伊奘冉の話も、潜水型、攪拌型、洪水神話型の要素をあわせ持つ、と見る。(離小島に漂着した兄妹が島を反対周りに回って出会ったところで交わる話は洪水神話型である。)
出雲の国引き神話は島釣り型の変形、神殿造営は潜水型の変形、といった見方も出てくる。
オノゴロ島の話を海洋攪拌神話として読むあたりもそうだが、日本神話を単独で読むのでなく、世界創生神話の複数の型が重なったものとして見るのがこの本の特徴なのだと思う。
この話に関しては以前に読んだ世界のはじまりの神話学に詳しかった。
calciummm.hatenablog.com
オシリス=ディオニュソス(プルタルコスによる同一視)
アドニス=アティス=オシリス(フレイザーによる同一視)植物の死と復活を司る植物神、豊穣神
個別項目
宇宙卵
ギリシャ 原初の卵に蛇がからまる その中にエロスあるいはパーネスと呼ばれる原初の神、からだに蛇がからまっていた。このことから子供が胞衣(えな)をまきつけて生まれると英雄の印あるいは人狼の印とする(ニコル・ベルモン誕生の印)
エジプト 原初の混沌に卵、そこから太陽
日本書紀 世界は鳥の子のよう、鳥の子は卵のことと比定。
中国 卵の中に巨人盤古 殻をわり上の殻が天、下の殻が地
卵は太陽と類似する
水に浮かぶ卵は羊水にうかぶ胎児に類似
それは洪水と瓢箪のイメージ
瓢箪だけでなく瓜、桃、箱、うつろ舟に最初の生命がやどり、水に浮いてやってくる
中から文化英雄が世界水と共にでてくる
国の始祖が箱や舟で漂流する話
中には蚕、親子、猫として生まれた子と母、犬の子をはらんだ娘(石垣島、海南島)
ペルシャのキュロス王はゆりかごに入れて流される
放尿夢は洪水神話のもと
高麗の始祖伝説、王建の出生神話
朝鮮、卵生始祖伝説の地域
桃太郎
宇宙鳥
世界サイズの鳥 しかし必ずしも大きくある必要はないと筆者はいう
シャー・ナメーの世界鳥シモルグ 世界をおおう巨鳥
ムニン・フギン 北欧神話 オーディンの鳥
鳥たちの王(ヨーロッパの昔話におけるモチーフ)風の神でもある
ケツァルコアトル メキシコ
天の鳥船
八咫烏
金鴉
エジプトの太陽神ホルス 隼
常世の長鳴鳥
火の鳥。
世界樹
世界を覆う木、天まで届く木を世界樹。必ずしも普遍的ではない。
ユグドラシル 北欧神話 地図に近い概念、根の方に死者の国、 蛇が周りをとりまく、地表に人間の国ミッドガル度、上に神々の領域アスガルド
世界樹はたとえである。世界山も同じであるとする
ユグドラシルはトネリコ。
世界柱
神話学、文化人類学では神話的な柱、大木、木の枝→世界樹としてとらえる
ゲルマンの世界柱イルミンスル
エジプトのオベリスク
ヘブライ、オリエントの古代の神殿における祭壇柱
ソロモン神殿のヤキンとボアズ
石と大地
子生み石
対義
男根石 陽石 石棒 メンヒル オベリスク
=巨大な男根=太陽崇拝
男根石の巨大化=須弥山=宇宙山
インド リンガ
デュオニュソス祭の男根
田県神社の男根
女神は豊穣だけではない、死と再生、戦い、獣の支配も担う
世界の至高神の最初は母神であることが多い
女神は大地・月・水・豊穣の原理を体現する。そして蛇や蛙の姿をとったり、猛獣や鹿を従えたりする。
社会構造の違いによって役割の違いをもつ
- 狩猟文化では獲物を支配
- 農耕文化では豊作
例としては
- アフロディーテ、アスタルテ → 戦いの女神
- アルテミス、キュベレ → 動物の主
- ガイア → 怪物を生み出す母
- デーメーテール → 穀物の母
母神は生だけではなく死もつかさどるというところ。
生命が芽生えるには一度死ななければならない、という思想が世界的にある以上、母神は死と再生の神でもある。
だからこそイザナミも、豊穣の母ではなく黄泉の女神として読めるし、死と再生をつかさどる存在として理解できる。
人類社会がまだ明確に農耕中心へ移行していない段階、すなわち狩猟・遊牧・初期農耕が混在する複合的な古代社会では、「死と再生」を司る女神が中心的な役割を担う傾向がある。
- 北欧 バイキング文化は女神の支配する時代 スカディ フレイヤ ヘル 死と再生の女神
- ギリシャ 冥界の女王ヘカテ
- イザナミ 死と再生の女神 黄泉の国
一方、日本神話はすでに農耕社会へ移行した後に体系化されたため、狩猟中心の女神は前面には出てこない。ただし、山の神が女神として祀られるなど、狩猟民的な信仰の痕跡は残っている。
さらに、狩猟時代から初期農耕社会にかけては、女神信仰とともに女性の呪術的権威(女呪術王)が強い時代であったと考えられる。女神は豊穣の原理そのものであり、社会の中心的な宗教的存在だった。
しかし、農耕の発展とともに王権が確立されると、政治的・宗教的中心は男性支配へと移行し、女神の地位は相対的に低下していく。この変化に対応して、祭祀の形態も、夜や月のもとで行われる女性中心の呪術的儀礼から、昼の王宮における専任の宗教者による制度化された祭祀へと変化していった。
生命が芽生えるには一度死ななければならないという思想は世界的に存在する
そのため母神は死をつかさどり、戦いの女神の性質もあわせもつ
アフロディーテがギリシャで軍神アレスの情人となるのは軍神としての性質をもつから
蛇女神、メリュジーヌ、トヨタマヒメ
蛇女神の系譜である。
- ヨーロッパ古層社会の蛇女神信仰(考古学者ギンブタス)
- エキドナ(スキタイの祖とされる、蛇体の女神)
- クレタ島の蛇を持つ女神像
- フランスの蛇妖精メリュジーヌ
- トヨタマヒメ
- 俵藤太の話
- 高麗の作帝建神話
中世学者ロランス・アルフ=ランクネールの説 メリュジーヌ=トヨタマヒメ説
歴史学者ル・ゴッフの説 天女アプサラス ウルワシの物語
日本の異類婚姻譚
鶴女房 狐女房 天人女房
比較的類話の少ない形 ハマグリ女房 蛙女房 竜宮女房
蛇女房 木霊女房 雪女郎 猫の恩返し 鳥の姉御
これらはすべてを羽衣説話の変異とするのは昔の学説らしい、いまは別カテゴリーとする(どれを?)
白鳥乙女・羽衣伝説
- 万葉集 七羽の白鳥物語
- 余呉の海 三保の松原 気比の松原 羽衣伝説
- アプサラスのウルワシ
- 北欧鍛治師ヴェーラントの最初の妻
- ポーランド 白鳥のグルペー
- 東南アジア ママヌアとウランセンドー
天女は白鳥の姿で、湖で沐浴する→水からあがるアフロディーテの要素
しかもこの本では、白鳥乙女と鍛冶師がつながる話もある。
男が鍛冶屋であることが多い。
鍛冶屋が異界と通じる魔術師的存在だからだろうか。
黒聖母の話も気になった
キリスト教の聖母信仰は古代の大地女神信仰の名残とさせる
キリスト教は男性的宗教だが、ヨーロッパは女神信仰がさかんであった そこでマリアを中心とする異端信仰がひろまった
その一つが12世紀に流行った黒聖母=聖母を黒く塗る、あるいは黒い材料で聖母を作る
もとはエジプトのイシス崇拝
イシス崇拝はローマ時代にヨーロッパにら広まる
これがイシスは黒い像がおおい
あるいはライオン女神セクメトも黒い石がおおい
アルテミス=エペソスの大女神 顔が黒く、その他は白く作られた像がおおい、乳房が20 30とついており、多産と豊穣の女神
異類婚姻譚
異界の存在と交わる話
日本
蛇女房 狐女房 鶴女房 犬婿 河童婿
犬婿 島嶼部の始祖伝説
馬娘婚姻譚→東北のおしらさま 養蚕の神
白鳥処女説話 北欧 スラブ 東南アジア 日本
モンゴル始祖伝承 青い狼
熊女房 熊婿 トルコ 北欧
女神の嘆きと性器露出
この本、かなり何度も「女神が嘆き、性器を見せることが復活の契機になる」という話を出してくる。
デーメーテールとバウボ、イシスやハトホル、バステト祭、さらに日本神話ではアメノウズメへ、という流れである。
「死と停滞を破る露出・笑い・性的しぐさ」というモチーフが存在しているのか。
天岩戸の場面も、ただの滑稽譚ではなく、太陽の復活儀礼の一形態として見ると確かに違って見える。
デーメーテールの嘆き 娘コレの喪失→世界の作物がそただなくなる→女あるいは女神のパウポがデーメーテールの前で性器を露出→穀物神として復活する
植物の死と復活が神の死と復活となぞらえてとらえると
オリシスを、うしなったイシスとオシリスの復活、復活したオシリスの種によってイシスはホルスを受胎
などオシリス、アドニス、アティスの死と復活の神話
イシスの分身たるハトホルが性器露出→太陽神の復活
バステトの祭りで女たちが性器を露出
死と復活、男根の喪失と復活が穀物の死と喪失に相当
これは太陽が消えて再び復活することに相当
日向国のニニギの話 アマテラスとアメノウズメの話が相当
エジプト神話と日本神話の比較
- ハトホル = アメノウズメ
- ホルス = ニニギ
- トート = サルタヒコ
という対応関係を筆者はかなり強く押してくる。
サルタヒコが道開きの神であり、ニニギの先導役であること。トートもまた太陽に関わる導き手であること。
さらにはサルタヒコと大国主の同一性まで持ち出して、月神から太陽神への移行神話として読む。
類似は表層的でも、「新しい太陽神が現れ、それを補佐し導く存在がいる」という構造としての比較のようだ。
サルタヒコ エジプト猿神トートとの類似性
サルタヒコはニニギの道案内
トート太陽の船にのって道開き(トートは月神)
サルタヒコの鼻は男根の象徴?
サルタヒコは新たな太陽神に服従
もともとサルタヒコが太陽神だったというのはこの話か?
伊勢アザカ浜 サルタヒコがはさまれた貝はアメノウズメの女陰
アメノウズメが竜宮の乙姫 サルタヒコが山幸彦?
太陽が玉に変わる
天日槍神話 日光が女の股間にさしこんで懐妊、赤玉をうみ、赤ヒルメという女神になる
トートが、女神セクメトを、説得して太陽の目玉ウジャトにしてらつれかえる
復活神
イエスは復活神
復活したオシリスがセトに八つ裂きにされてエジプト中にばらまかれる
デュオニュソスがティタンに八つ裂きにされる
話と類似
オシリスの芽生え アドニスの園
アフロディーテはシリアではアスタルテと同一視
アドニスとアティスが、同一視される
オオナムチ 復活する神
死因となる転げ落ちてきた石は猪というふれこみだったこれはアドニスたら同じ
ニニギノミコトとギリシャのトリプレトレモス稲穂を国中にまく、光をもたらす類似性
トリックスター
アメリカ先住民 コヨーテ
シベリア ワタリガラス
アフリカ 兎
東南アジア 猿
インド神話 猿神ハヌーマン
孫悟空
トリックスターの性質
つくるものではなくこわすもの
さばくものではなくそそのかすもの
ゆるすものではなく逃げるもの
悪事は悪戯によるら悪事で本質的に悪ではない
文化にあそびの要素をもたらす
秩序の破壊とあらたな創造の契機を与える
太陽神
ラーは老神 夕日の象徴
若い太陽ホルス 朝日の象徴
トートは月、夜の支配、つまり夜の太陽
ハトホル=セクメト=灼熱の太陽
エジプト神話と日本神話の類似性について指摘する。まず第一に、ハトフル=アメノウズメの対応である。
第二に、太陽神ホルス=ニニギとの関係である。
第三に、サルタヒコとトートの関係である。サルタヒコは道開きの神、太陽神の先導役である。またその後イサでは、二見浦の夫婦岩の間の海上に現れ、これは正月の太陽を思わせる。一方でトートは太陽の分身セクメトを神々のないに連れ戻す。この時セクメトはライオンの姿からウジャトとなってナイルを下る。またセクメトを猫神バステトに変えたという話もある。つまりトートは太陽の目を連れ戻すという役目を持つ。
次に、大国主と猿田彦の同一性について主張する。大国主の出世に関しては定説がないが、香川の国会で生まれたという説と、佐田神社の猿田彦の説を合わせて、大名道イコール猿田彦の図式を筆者は主張する。また、国譲りの時に、猿田彦は不通主の神に大国主自身によって捧げられている。 この時、大国主が猿田彦の分身、猿田彦は大国主の分身だとすれば、猿田彦の分身自身の人身を捧げた。そして、猿田彦は不通主を導いて国中を巡回したということになる。
オオクニヌシ月神からトートの役割合致
月神→太陽神への移行をあらわした神話ととれる
月女神を最高神とする南方海洋民の文化お太陽信仰の民の文化との交代
日本神話は国際話型の宝庫
後半で特に面白かったのは、日本神話の個別エピソードを世界の説話モチーフに接続する部分。
- ヤマタノオロチ → 七つ頭の竜、ドラゴンスレイヤー神話
- 因幡の白兎 → インドネシアのワニと兎
- 根の国訪問 → 悪魔の娘、不思議なヴァイオリン、鬼の宝
- トヨタマヒメ → メリュジーヌ物語
- 国引き → 島釣り型の変形
- 神殿造営 → 潜水型の変形
特にオオナムチの根の国の話が、
「舅のいやがらせ」
「地下世界での試練」
「宝物を取って逃げる」
「髪を柱に結わえる」
みたいな世界的説話モチーフの束として読めるのはすごく面白かった。
しかも、ネズミを地底の鉱物資源を管理する人々と結びつけるあたりまで話が伸びる。ここまでくるとかなり大胆なのだけど、神話の登場存在を単なる動物ではなく、地下世界や技術民の象徴として読むのは、たしかに比較神話らしい読み方だと思う。
竜退治
七つ頭の竜の話の類型 ヤマタノオロチ
アンドロメダ型 これは竜退治ではない?他の類型 ポセイドンの怪物の類型 神罰として海神が竜を送る
ドラゴンスレイヤー神話というふうに語らないのはなぜ?
トリスタン
ジークフリート
竜退治
ヤマタノオロチ 伝播たん 河川つながり治水、金属加工、製鉄もあるかも 鉄鉱石はどうか?
天竜川 九頭竜川 洪水から竜の名がついたか?
人身御供とはすなわち神との婚姻
舅のいやがらせ
日本 天人女房
ヨーロッパ 悪魔の娘
日本 オオナムチの根の国
オオナムチをたすけるネズミは地底の鉱物資源を管理する人々 リトアニアの海底の鍛治族と同じ
スセリヒメと逃げる際に天の沼琴 生き太刀 生き弓をもってスサノオの髪を垂木にゆわえて逃げる これは世界的なモチーフ
鬼のところから不思議なヴァイオリン 千里靴 月光板をもってにげるときに鬼の髪を家の柱にゆわえる
スサノオを寝かせる時に頭のムカデをとるといって赤い実をかんでムカデに見せかけて白鳥のは西洋の昔話でも同様モチーフ
これらはオオクニヌシが国土経営するためのイニシエーション
蛇の室 ネズミの国 天の沼琴 国際的な昔話のモチーフ 国際話型に属する
ヤマタノオロチ→七つの頭の竜
因幡の白兎→悪魔の娘
根の国訪問→不思議なヴァイオリン 鬼の宝
トヨタマヒメ→メリュジーヌ物語
ワニがでてくるので東南アジア系統の説話伝承につながると考えられる
オセアニアの海洋神話が日本に伝来
インドネシア ワニと豆鹿の話
インドネシアは日本にもインド側(遠くはエジプト)までつながっていて融合していた それを海洋民がになった
日本神話のこれより後の話
ヤマトタケルから天日槍あたりは朝鮮やシベリアの物語
最初の伊弉諾伊奘冉はオノゴロ島は海洋攪拌神話 インドに近いが国産みは洪水神話の断片がみられる
出雲の国引き神話 島釣りの変形
出雲の神殿造営 潜水型の変形
太陽洞窟の話 東南アジアにあり アマテラス ウズメの女陰のはなしはエジプトのハトホル ラーの後継者を決める時に女陰をみせる
ラー→アマテラス
ハトホル→ウズメ
ホルス→ニニギ
イシス→ウズメ 新たな太陽神の補佐役
女陰をみせるモチーフは世界的で、ヨーロッパでは後に悪魔退散な呪術的しぐさになる
獣祖伝説
比較神話学者・三品彰英の三分類
- 獣祖
- 卵生
- 感精
が紹介される。
ただし筆者は、実際にはそんなに単純ではないとも言う。日光による受胎が卵に結びつくこともあれば、動物と感精が接続することもある。
このへんはむしろ分類表そのものより、そこから見えてくる世界の動物文化のほうが面白い。
- モンゴルの青き狼
- ロシアの灰色狼
- 熊を始祖とする部族群
- 檀君神話
- 狼のゼウス
- アテナイの蛇神
- ケクロプス
- ゴルゴン
- ゼウスの蛇的側面
読みながら、「狼の文化」「熊の文化」「白鳥の文化」「蛇女の文化」みたいなまとまりが見えてくる感じがあった。
神話って結局、どの動物をどう見るかという共同体の想像力とも深く結びついているのだと思う。
孫悟空 ミトラ 岩から生まれる類似性 オセットのソスラン=岩の上で精をもらした羊飼いからうまれる
比較神話学者 三品彰英の三分類
獣祖
卵生
感精
ただしそこまで単純ではない
日光によって受胎して結果が卵のこともある
日光たる黄色い犬が女と交わったという形で獣祖と感精が接続することもある
単純にこの分類が適用できるわけではないらしい
モンゴル族 青き狼
ロシア イーゴリ戦記 古代の王 灰色狼
トルコからヨーロッパにかけて熊部族 熊のフォークロアが多数
チュルク族 熊のジャン トーテムが熊
ドイツ 熊戦士ベルセルク
北欧のオーディン 熊としてあらわさらる
スイス ベルン いまだに熊を町で飼う 街の名前の由来
熊を始祖とする一族がヨーロッパに広がっていた?
熊のジャンは巨大鉄棒をかつぐ 金属加工民の文化か
ベルン郊外で発見 アルティオ 女神像 熊と向かい合う
ヨーロッパの女神は熊をしたがえる
熊の始祖 檀君神話
狼の文化
熊の文化
女が白鳥として飛来する文化
女が蛇になってはってくる文化
ギリシャ 狼のゼウス リュカイア リュカオン王 狼を始祖とするら一族の名残 これはドゥティエンヌの考察
ギリシャ アテネ 蛇神
アテナイの最初の王 ケクロプス=蛇身
アクロポリス パルテノンのアテナ像 蛇女神
ギリシャの各地に狼をしそとする部族、蛇を始祖とする部族がいてそれぞれポリスをたてる→アテナイがポリス同盟の代表→マケドニアのアレクサンドロスが統一帝国
アレクサンドロスの母オリンピア大蛇と同衾してアレクサンドロスを身籠る ギリシャの蛇神信仰
漫画ヒストリエってこういうとやったか!!!!
ゴルゴン 蛇女神
ゴルゴン 憤怒相
アテナ ゼウス(ゼウスって蛇なの?) 温和相
ゼウスは狼もあるがゼウス・メイキリオス とぐろをまいた蛇の姿であらわさらるように蛇の姿もある
ゼウスの天空神としての性質→鷲
雷の性質からの類推か?
キュクロプスに与えられたのが雷であり後天的な性質と近い筆者は主張
ギガントマキアでゼウスの戦った巨人ギガース=蛇身
ガイアの子=蛇か?
神話学者ドゥティエンヌ オレステスの宿命 建設者は親や神を殺すことが必要 罪ではなく穢れ 一定期間の清めを経て潔白となる
ギリシャアルカディア地方という名前は熊の子アルカス由来
## 鍛冶神と狼男
白鳥処女説話、鍛冶師ヴィーラント、ダイダロス、ヘパイストス、あめのまひとつ、ポリュペモス、蚩尤、カグツチ、蛇族の鍛冶民、狼使いの鍛冶屋、フェンリルを縛る地下の金工師たち……と、かなり幅広いモチーフが一気につながる。
- 鍛冶屋は異界とつながる
- 火と金属を扱う
- 地下世界に通じる
- 片目片足など身体的な異形性を帯びる
- 狼や竜や蛇と結びつく
ということらしい。
白鳥処女説話
北欧神話 鍛治師ヴィーラントの妻
千夜一夜物語 バサラのハッサンの物語
余呉湖の話
鶴女房は上とは異なる動物報恩譚に含まれると主張
似た話で動物ではないが 東南アジア ウルワシ 天女アプサラス
多くに共通することとして男が鍛冶屋
世界的に鍛冶屋は魔術師、異界に通じるとみられる
鍛治神
ギリシャ ヘパイストス 座ったら立ち上がれない椅子
片目片足という特徴をよくもつ
あめのまひとつ
鍛治師一つ目の巨人 ポリュペモス
ヴィーラント
ヴィーラント 人工の足と翼で牢獄からでる ギリシャの工人ダイダロス 人工の翼で迷宮を脱出に類似
鍛冶屋弥三郎の母親 狼
強風のことを弥三郎風とよぶ
蚩尤 地底の金属と火と嵐の神 干戈の発明 額が鉄
ギリシャのテュポーン=エジプトのセト とされる
神々の秩序にそむき暴力をもって支配しようとするため
火の神 カグツチ その血から金属
地底の金属加工民の神 竜や蛇身のこたがおおい 鉱脈が体
リトアニアの海底 鍛治民族 蛇族 白鳥処女説話に似た話がある 蛇王子の話 地上の王女エグレ
フランスの伝承 鍛冶屋は狼使い
北欧こフェンリル狼 縛るために地下の金工師小人による縄
ジークフリートに倒される竜 鍛治師レギオンの兄弟
ローマ北方 ソクラテ山のヒルピ族 狼を始祖とする
鉄剣の技術の神話
筆者は実際にあったことが神話になっているということには否定的
神話は報道的ではないとする
事実があっても神話になるにはプロセスが必要と主張
金屋子神伝承
中国 干将莫也の神話
神話は事実の報道ではない
後半で印象に残ったのは、筆者が「実際にあったことがそのまま神話になる」という見方には否定的なところ。
神話は報道ではない。事実があったとしても、それが神話になるにはプロセスが必要だ、という主張である。
これはかなり重要だと思う。
この本は伝播とか比較をかなり大胆にやる一方で、単純な史実還元には乗らない。神話は出来事の記録ではなく、**出来事や文化接触が物語として再構成されたもの**だという立場なのだろう。
この本の弱点はやはり明確
面白い本ではあるが、弱点もかなりはっきりしている。
まず、主張と例の関係がわかりにくい**。
どこまでが強い主張で、どこからが連想的な例示なのかが見えにくい。
次に、**似ていることと伝播したことの間に飛躍がある**。
モチーフの一致、構造の一致、歴史的交流の証拠、この三つは本来かなり違うはずなのに、ときどき一気につながってしまう。
さらに、後半ほど散漫になる。
これは読書法の問題でもあって、だからこそこの本は、最初から最後まで律儀に読むより、引っかかったところだけ拾って自分で整理し直すのが向いている。
まとめ
『世界神話入門』は、文章はうまくないし、論理も見えにくい。
教科書として整っている本ではない。むしろ、雑然としているぶん、読者の側で整理し直すことを要求してくる本である。
ただ、そのぶん、
「日本神話はどこまで世界神話のなかで読めるのか」
「神話の類似は偶然か、構造か、伝播か」
「女神・蛇・鳥・卵・世界樹・鍛冶・復活神といったモチーフはどう連動するのか」
といった問いを次々に投げてくる。
読みやすい本ではない。
でも、神話を比較し、構造で見て、伝播で考える入口としてはかなり刺激的だった。
自分としては、この本から得た一番大きなものは個々の結論よりも、
神話は似ているのではなく、つながっているのかもしれないという感覚だった。
神話のつながりに着目して体系的に書かれた本があれば読みたい。
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世界神話入門
この本文の論理関係がわかりにくいんだよな
文章が下手 そもそも主張がわかりにい
主張をしたかと思えばその判例みたいな例をたくさん列挙する。
根拠も薄弱
プリンシプルがあるのではなくあるいは筆者的にはあるのかもしれないが、あまり筋立ててろんぜているかといえばノーである。
かといって価値がないかと言えばそんなことはなく、神話構造の比較や神話の伝播について重要なことが書かれている
真面目に前から読むより、斜め読みして重要なところ目に止まったところを深読みしたほうがよい
特に各節の後半にいくにしたがって文章やら主張がとっちらかってくるので前半だけ読む方が良い
はじめに
海洋攪拌神話 オノゴロ島 エジプト神話ベンベンという丘
ヒルコの話はエジプトに起源
人の移動が物語を伝えた
古代社会ができる前神話は世界を知るための情報源だったらさ
I 世界神話
1-1世界神話に向けて
共通する物語、共通する構造、隣接地域における神話の連続性、もとは同じもの
例 ギリシア神話、ケルト神話、インド神話の共通性
エジプト神話と日本神話の共通性
シベリアらアメリカの口承神話の共通基盤、人の移動
太平洋の島々のマウイ神話、人の移動
インドネシアのワニと兎→日本の因幡の白兎
世界神話 世界に共通する思考形式と文化による神話の共通性。人類という枠で捉えられる共通した神話
神話は時代、地域、これはかなり細かい単位でとらえられる例えば日本でも出雲や日向における神話体系が存在する、これらはら互いに影響し合い、融合しあってきた、相互作用してきたしかしそうした多様性と共通性を、もとした概念が世界神話
1-1-2神話と昔話
アンドロメダ神話七つの頭の竜→ヤマタノオロチ神話
インドネシア神話なくした釣り針、ロシア火の鳥に類似したトヨタマヒメ神話
因幡の白兎はインドネシア神話ワニと兎、ワニと豆鹿に類似
オオナムチ根の国の話、ヨーロッパ昔話、悪魔の娘に類似とくに素戔鳴から天の沼琴をとってくる話は悪魔のヴァイオリンに類似
神話と昔話と民話と明確な区別はできない
おおよその定義をすることはできる
個人的にはあんま興味ないや
1-1-3
宗教は人間行動を規範するが、神話にはそれがない
1-1-4神話と叙事詩
このあたりも神話の定義についてうんぬんしている
あんま興味ないんよな
1-2地域的諸問題
1-3共通神話の形成
1-3-1世界の共通神話
国の成立、文化的つながり、征服→神話の形成に大きく影響
統一王権の安定した治世→統一神話の形成
出雲神話+大和神話→日本神話
ギリシャ神話+ローマ神話→ギリシャ・ローマ神話
テーバイ神話+メンフィス神話→エジプト神話
クレタの神話+フェニキアの神話+アテネやスパルタの都市国家の神話+イオニアやペロポネソスの諸地域の神話→ギリシャ神話
諸民族の神話の統一
メソポタミア
シュメール→アッシリア→バビロニアあわせて
イナンナ、イシュタル、アスタルテは同一神格の継承
遊牧民がユーラシアを移動して神話を各地にもたらした、ゲルマン大移動はその一例にすぎない
イラン系アラン人イギリスにわたりアーサー王伝説になった(神話学者リトルトン)
黒海沿岸にてギリシャ文化の影響を受けたスキタイ族の文化がツングース系遊牧民によって朝鮮、日本にもたらされた(一部の神話学者)
カフカス北部のクルガン墳丘を築いた人々の文化がヨーロッパの古層文化を形成した(考古学者ギンブタス)
文字を持たない統一王権もない時代、月信仰が優勢
月の女神は蛇の形、人々とまじわった
蛇女神神話
メリュジーヌ、トヨタマヒメ、クン=アイ、作帝建神話、ガンガーとシャンタヌ
王や戦士や祭司があらわれると太陽神崇拝が優勢に
この月から太陽への時代的変化が日月の葛藤神話として日本らアメリカら東南アジアで語られる。
日月神話と世界創生神話は同じ頃に成立することが多い
世界創生神話に潜水型、島釣り型など
オシリス=ディオニュソス(プルタルコスによる同一視)
アドニス=アティス=オシリス(フレイザーによる同一視)植物の死と復活を司る植物神、豊穣神
1-3-2地域的特性
2世界の構造
2-1卵と鳥
2-1-1宇宙卵
ギリシャ 原初の卵に蛇がからまる その中にエロスあるいはパーネスと呼ばれる原初の神、からだに蛇がからまっていた。このことから子供が胞衣(えな)をまきつけて生まれると英雄の印あるいは人狼の印とする(ニコル・ベルモン誕生の印)
エジプト 原初の混沌に卵、そこから太陽
日本書紀 世界は鳥の子のよう、鳥の子は卵のことと比定。
中国 卵の中に巨人盤古 殻をわり上の殻が天、下の殻が地
卵は太陽と類似する
水に浮かぶ卵は羊水にうかぶ胎児に類似
それは洪水と瓢箪のイメージ
瓢箪だけでなく瓜、桃、箱、うつろ舟に最初の生命がやどり、水に浮いてやってくる
中から文化英雄が世界水と共にでてくる
国の始祖が箱や舟で漂流する話
中には蚕、親子、猫として生まれた子と母、犬の子をはらんだ娘(石垣島、海南島)
ペルシャのキュロス王はゆりかごに入れて流される
放尿夢は洪水神話のもと
高麗の始祖伝説、王建の出生神話
朝鮮、卵生始祖伝説の地域
桃太郎
2-1-2宇宙鳥
世界サイズの鳥 しかし必ずしも大きくある必要はないと筆者はいう
シャー・ナメーの世界鳥シモルグ 世界をおおう巨鳥
ムニン・フギン 北欧神話 オーディンの鳥
鳥たちの王(ヨーロッパの昔話におけるモチーフ)風の神でもある
ケツァルコアトル メキシコ
天の鳥船
八咫烏
金鴉
エジプトの太陽神ホルス 隼
常世の長鳴鳥
火の鳥
2-2樹木
2-2-1世界樹
世界を覆う木、天まで届く木を世界樹。必ずしも普遍的ではない。
ユグドラシル 北欧神話 地図に近い概念、根の方に死者の国、 蛇が周りをとりまく、地表に人間の国ミッドガル度、上に神々の領域アスガルド
世界樹はたとえである。世界山も同じであるとする
ユグドラシルはトネリコ。
2-2-2樹木霊
樹木霊、植物霊信仰
2-2-3世界柱
神話学、文化人類学では神話的な柱、大木、木の枝→世界樹としてとらえる
ゲルマンの世界柱イルミンスル
エジプトのオベリスク
ヘブライ、オリエントの古代の神殿における祭壇柱
ソロモン神殿のヤキンとボアズ
2-3 大地
2-3-1盤石こ大地
へそ石、要石
世界の始まり
島釣り型
国引き
攪拌型
潜水型
離小島に漂着した兄妹が島を反対周りに回って出会ったところで交わる話は洪水神話型
伊弉諾伊奘冉の話は潜水型、攪拌型、洪水神話型の要素を持つ
エジプトのベンベン丘
世界石 宇宙軸にすえられた
子生み石
対義
男根石 陽石 石棒 メンヒル オベリスク
=巨大な男根=太陽崇拝
男根石の巨大化=須弥山=宇宙山
2-3-2陽石
インド リンガ
デュオニュソス祭の男根
田県神社の男根
3女神と至高神
世界の至高神の最初は母神であることが多いということだろうか
母神と子神 水=豊穣の象徴
3-1女神
女神の形態
大地 月 水 豊穣の原理
蛇 蛙の姿あるいはそれらを従える
ポトニア・テロン ライオン 猛獣 鹿
狩猟文化では獲物を支配
農耕文化では豊作
狩猟時代、初期農耕時代は女神、女呪術王の時代
女神は初期農耕社会の豊穣の原理
王権の確立→女神の立場が下がる
初期農耕の祭祀 夜 月の光のもと女呪術者→昼 王宮 専任宗教者へと移行
女神は神話の中で戦いの神、動物の王 豊穣の大地、穀物の母といった性格を持つ
アフロディーテ アスタルテ 戦いの女神
アルテミス キュベレ 動物の主
大地母神ガイア 怪物を生み出す
デーメーテール 穀物の母
社会が明確に農耕中心にならない間は死と再生の女神が世界を支配する傾向あり
この社会とは狩猟だけ、遊牧だけ定着農耕にシフトしたわけでもないら複合社会、古代社会
北欧 バイキング文化は女神の支配する時代 スカディ フレイヤ ヘル 死と再生の女神
ギリシャ 冥界の女王ヘカテ
日本は農耕社会にシフトした後に神話が成立したので狩猟の女神はいない、ただし、狩猟者が祀る山神は女神
イザナミ 死と再生の女神 黄泉の国
生命が芽生えるには一度死ななければならないという思想は世界的に存在する
そのため母神は死をつかさどり、戦いの女神の性質もあわせもつ
アフロディーテがギリシャで軍神アレスの情人となるのは軍神としての性質をもつから
3-1-1蛇女神
ヨーロッパ古層社会 蛇女神信仰 考古学者ギンブタス
エキドナ=スキタイの祖とされる、蛇体の女神
クレタ島 蛇を両手にもった女神像
フランス 蛇妖精メリュジーヌ
トヨタマヒメ
俵藤太の話
高麗 作帝建の話
3-2-1世界のメリュジーヌ
フランスの蛇女神 しかし、人の姿の妖精で呪いのせいでヘビになっていた、それも、土曜日限定
トヨタマヒメは蛇あるいはワニとされる
異類婚姻譚
見るなのタブー 鶴女房
世界的には白鳥処女神話
中世学者ロランス・アルフ=ランクネールの説 メリュジーヌ=トヨタマヒメ説
歴史学者ル・ゴッフの説 天女アプサラス ウルワシの物語
日本の異類婚姻譚
鶴女房 狐女房 天人女房
比較的類話の少ない形 ハマグリ女房 蛙女房 竜宮女房
蛇女房 木霊女房 雪女郎 猫の恩返し 鳥の姉御
これらはすべてを羽衣説話の変異とするのは昔の学説らしい、いまは別カテゴリーとする(どれを?)
3-1-4白鳥乙女
万葉集 七羽の白鳥物語
余呉の海 三保の松原 気比の松原 羽衣伝説
アプサラスのウルワシ
北欧鍛治師ヴェーラントの最初の妻
ポーランド 白鳥のグルペー
東南アジア ママヌアとウランセンドー
天女は白鳥の姿で、湖で沐浴する→水からあがるアフロディーテの要素
3-1-5黒聖母
キリスト教の聖母信仰は古代の大地女神信仰の名残とさせる
キリスト教は男性的宗教だが、ヨーロッパは女神信仰がさかんであった そこでマリアを中心とする異端信仰がひろまった
その一つが12世紀に流行った黒聖母=聖母を黒く塗る、あるいは黒い材料で聖母を作る
もとはエジプトのイシス崇拝
イシス崇拝はローマ時代にヨーロッパにら広まる
これがイシスは黒い像がおおい
あるいはライオン女神セクメトも黒い石がおおい
アルテミス=エペソスの大女神 顔が黒く、その他は白く作られた像がおおい、乳房が20 30とついており、多産と豊穣の女神
3-2愛の神話
3-2-1異類婚姻譚
異界の存在と交わる話
日本
蛇女房 狐女房 鶴女房 犬婿 河童婿
犬婿 島嶼部の始祖伝説
馬娘婚姻譚→東北のおしらさま 養蚕の神
白鳥処女説話 北欧 スラブ 東南アジア 日本
モンゴル始祖伝承 青い狼
熊女房 熊婿 トルコ 北欧
3-2-2竜宮あるいは異郷逗留たん
3-2-3女神の嘆き
穀物神や豊穣の女神が嘆き悲しんだ後、性器をみせるなどのことを、きっかけにして復活するという神話が多い
デーメーテールの嘆き 娘コレの喪失→世界の作物がそただなくなる→女あるいは女神のパウポがデーメーテールの前で性器を露出→穀物神として復活する
植物の死と復活が神の死と復活となぞらえてとらえると
オリシスを、うしなったイシスとオシリスの復活、復活したオシリスの種によってイシスはホルスを受胎
などオシリス、アドニス、アティスの死と復活の神話
イシスの分身たるハトホルが性器露出→太陽神の復活
バステトの祭りで女たちが性器を露出
死と復活、男根の喪失と復活が穀物の死と喪失に相当
これは太陽が消えて再び復活することに相当
日向国のニニギの話 アマテラスとアメノウズメの話
が相当
サルタヒコ エジプト猿神トートとの類似性
サルタヒコはニニギの道案内
トート太陽の船にのって道開き(トートは月神)
サルタヒコの鼻は男根の象徴?
サルタヒコは新たな太陽神に服従
もともとサルタヒコが太陽神だったというのはこの話か?
伊勢アザカ浜 サルタヒコがはさまれた貝はアメノウズメの女陰
アメノウズメが竜宮の乙姫 サルタヒコが山幸彦?
太陽が玉に変わる
天日槍神話 日光が女の股間にさしこんで懐妊、赤玉をうみ、赤ヒルメという女神になる
トートが、女神セクメトを、説得して太陽の目玉ウジャトにしてらつれかえる
3-3復活神とトリックスター
3-3-1復活神
イエスは復活神
復活したオシリスがセトに八つ裂きにされてエジプト中にばらまかれる
デュオニュソスがティタンに八つ裂きにされる
話と類似
オシリスの芽生え アドニスの園
アフロディーテはシリアではアスタルテと同一視
アドニスとアティスが、同一視される
オオナムチ 復活する神
死因となる転げ落ちてきた石は猪というふれこみだったこれはアドニスたら同じ
ニニギノミコトとギリシャのトリプレトレモス稲穂を国中にまく、光をもたらす類似性
デーメーテールとバウボ、アマテラスとウズメこれは前述
3-3-2トリックスター
アメリカ先住民 コヨーテ
シベリア ワタリガラス
アフリカ 兎
東南アジア 猿
インド神話 猿神ハヌーマン
孫悟空
トリックスターの性質
つくるものではなくこわすもの
さばくものではなくそそのかすもの
ゆるすものではなく逃げるもの
悪事は悪戯によるら悪事で本質的に悪ではない
文化にあそびの要素をもたらす
秩序の破壊とあらたな創造の契機を与える
3-4-2太陽神
ラーは老神 夕日の象徴
若い太陽ホルス 朝日の象徴
トートは月、夜の支配、つまり夜の太陽
ハトホル=セクメト=灼熱の太陽
エジプト神話と日本神話の類似性について指摘する。まず第一に、ハトフル=アメノウズメの対応である。
第二に、太陽神ホルス=ニニギとの関係である。
第三に、サルタヒコとトートの関係である。サルタヒコは道開きの神、太陽神の先導役である。またその後イサでは、二見浦の夫婦岩の間の海上に現れ、これは正月の太陽を思わせる。一方でトートは太陽の分身セクメトを神々のないに連れ戻す。この時セクメトはライオンの姿からウジャトとなってナイルを下る。またセクメトを猫神バステトに変えたという話もある。つまりトートは太陽の目を連れ戻すという役目を持つ。
次に、大国主と猿田彦の同一性について主張する。大国主の出世に関しては定説がないが、香川の国会で生まれたという説と、佐田神社の猿田彦の説を合わせて、大名道イコール猿田彦の図式を筆者は主張する。また、国譲りの時に、猿田彦は不通主の神に大国主自身によって捧げられている。 この時、大国主が猿田彦の分身、猿田彦は大国主の分身だとすれば、猿田彦の分身自身の人身を捧げた。そして、猿田彦は不通主を導いて国中を巡回したということになる。
オオクニヌシ月神からトートの役割合致
月神→太陽神への移行をあらわした神話ととれる
月女神を最高神とする南方海洋民の文化お太陽信仰の民の文化との交代
4-2-2竜退治
七つ頭の竜の話の類型 ヤマタノオロチ
アンドロメダ型 これは竜退治ではない?他の類型 ポセイドンの怪物の類型 神罰として海神が竜を送る
ドラゴンスレイヤー神話というふうに語らないのはなぜ?
トリスタン
ジークフリート
竜退治
ヤマタノオロチ 伝播たん 河川つながり治水、金属加工、製鉄もあるかも 鉄鉱石はどうか?
天竜川 九頭竜川 洪水から竜の名がついたか?
人身御供とはすなわち神との婚姻
舅のいやがらせ
日本 天人女房
ヨーロッパ 悪魔の娘
日本 オオナムチの根の国
オオナムチをたすけるネズミは地底の鉱物資源を管理する人々 リトアニアの海底の鍛治族と同じ
スセリヒメと逃げる際に天の沼琴 生き太刀 生き弓をもってスサノオの髪を垂木にゆわえて逃げる これは世界的なモチーフ
鬼のところから不思議なヴァイオリン 千里靴 月光板をもってにげるときに鬼の髪を家の柱にゆわえる
スサノオを寝かせる時に頭のムカデをとるといって赤い実をかんでムカデに見せかけて白鳥のは西洋の昔話でも同様モチーフ
これらはオオクニヌシが国土経営するためのイニシエーション
蛇の室 ネズミの国 天の沼琴 国際的な昔話のモチーフ 国際話型に属する
ヤマタノオロチ→七つの頭の竜
因幡の白兎→悪魔の娘
根の国訪問→不思議なヴァイオリン 鬼の宝
トヨタマヒメ→メリュジーヌ物語
ワニがでてくるので東南アジア系統の説話伝承につながると考えられる
オセアニアの海洋神話が日本に伝来
インドネシア ワニと豆鹿の話
インドネシアは日本にもインド側(遠くはエジプト)までつながっていて融合していた それを海洋民がになった
日本神話のこれより後の話
ヤマトタケルから天日槍あたりは朝鮮やシベリアの物語
最初の伊弉諾伊奘冉はオノゴロ島は海洋攪拌神話 インドに近いが国産みは洪水神話の断片がみられる
出雲の国引き神話 島釣りの変形
出雲の神殿造営 潜水型の変形
太陽洞窟の話 東南アジアにあり アマテラス ウズメの女陰のはなしはエジプトのハトホル ラーの後継者を決める時に女陰をみせる
ラー→アマテラス
ハトホル→ウズメ
ホルス→ニニギ
イシス→ウズメ 新たな太陽神の補佐役
女陰をみせるモチーフは世界的で、ヨーロッパでは後に悪魔退散な呪術的しぐさになる
4-2-3獣祖伝説
孫悟空 ミトラ 岩から生まれる類似性 オセットのソスラン=岩の上で精をもらした羊飼いからうまれる
比較神話学者 三品彰英の三分類
獣祖
卵生
感精
ただしそこまで単純ではない
日光によって受胎して結果が卵のこともある
日光たる黄色い犬が女と交わったという形で獣祖と感精が接続することもある
単純にこの分類が適用できるわけではないらしい
モンゴル族 青き狼
ロシア イーゴリ戦記 古代の王 灰色狼
トルコからヨーロッパにかけて熊部族 熊のフォークロアが多数
チュルク族 熊のジャン トーテムが熊
ドイツ 熊戦士ベルセルク
北欧のオーディン 熊としてあらわさらる
スイス ベルン いまだに熊を町で飼う 街の名前の由来
熊を始祖とする一族がヨーロッパに広がっていた?
熊のジャンは巨大鉄棒をかつぐ 金属加工民の文化か
ベルン郊外で発見 アルティオ 女神像 熊と向かい合う
ヨーロッパの女神は熊をしたがえる
熊の始祖 檀君神話
狼の文化
熊の文化
女が白鳥として飛来する文化
女が蛇になってはってくる文化
ギリシャ 狼のゼウス リュカイア リュカオン王 狼を始祖とするら一族の名残 これはドゥティエンヌの考察
ギリシャ アテネ 蛇神
アテナイの最初の王 ケクロプス=蛇身
アクロポリス パルテノンのアテナ像 蛇女神
ギリシャの各地に狼をしそとする部族、蛇を始祖とする部族がいてそれぞれポリスをたてる→アテナイがポリス同盟の代表→マケドニアのアレクサンドロスが統一帝国
アレクサンドロスの母オリンピア大蛇と同衾してアレクサンドロスを身籠る ギリシャの蛇神信仰
漫画ヒストリエってこういうとやったか!!!!
ゴルゴン 蛇女神
ゴルゴン 憤怒相
アテナ ゼウス(ゼウスって蛇なの?) 温和相
ゼウスは狼もあるがゼウス・メイキリオス とぐろをまいた蛇の姿であらわさらるように蛇の姿もある
ゼウスの天空神としての性質→鷲
雷の性質からの類推か?
キュクロプスに与えられたのが雷であり後天的な性質と近い筆者は主張
ギガントマキアでゼウスの戦った巨人ギガース=蛇身
ガイアの子=蛇か?
神話学者ドゥティエンヌ オレステスの宿命 建設者は親や神を殺すことが必要 罪ではなく穢れ 一定期間の清めを経て潔白となる
ギリシャアルカディア地方という名前は熊の子アルカス由来
4-3鍛治神と狼男
白鳥処女説話
北欧神話 鍛治師ヴィーラントの妻
千夜一夜物語 バサラのハッサンの物語
余呉湖の話
鶴女房は上とは異なる動物報恩譚に含まれると主張
似た話で動物ではないが 東南アジア ウルワシ 天女アプサラス
多くに共通することとして男が鍛冶屋
世界的に鍛冶屋は魔術師、異界に通じるとみられる
鍛治神
ギリシャ ヘパイストス 座ったら立ち上がれない椅子
片目片足という特徴をよくもつ
あめのまひとつ
鍛治師一つ目の巨人 ポリュペモス
ヴィーラント
ヴィーラント 人工の足と翼で牢獄からでる ギリシャの工人ダイダロス 人工の翼で迷宮を脱出に類似
鍛冶屋弥三郎の母親 狼
強風のことを弥三郎風とよぶ
蚩尤 地底の金属と火と嵐の神 干戈の発明 額が鉄
ギリシャのテュポーン=エジプトのセト とされる
神々の秩序にそむき暴力をもって支配しようとするため
火の神 カグツチ その血から金属
地底の金属加工民の神 竜や蛇身のこたがおおい 鉱脈が体
リトアニアの海底 鍛治民族 蛇族 白鳥処女説話に似た話がある 蛇王子の話 地上の王女エグレ
フランスの伝承 鍛冶屋は狼使い
北欧こフェンリル狼 縛るために地下の金工師小人による縄
ジークフリートに倒される竜 鍛治師レギオンの兄弟
ローマ北方 ソクラテ山のヒルピ族 狼を始祖とする
4-3-1鉄剣の技術の神話
筆者は実際にあったことが神話になっているということには否定的
神話は報道的ではないとする
事実があっても神話になるにはプロセスが必要と主張
金屋子神伝承
中国 干将莫也の神話