があらんどう

伽藍洞です。

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読書と映画の考察の間

映画さがすの感想

映画『さがす』は、行方不明になった父を娘が追うというシンプルな導入から始まりながら、やがて家族の喪失、貧困、介護、死への誘惑へと踏み込んでいくサスペンス映画である。 前半は、娘・楓の視点から父の失踪を追うミステリーとして進み、観客は彼女と同…

『パンチラインの言語学』感想

言語学バーリトゥードの川添愛先生の本ということで読んでみた。全体としてはエンタメ8割・言語学2割くらいのバランスで、かなり読みやすい一冊。 エンタメ8割言語学2割ということで確かに『言語学バーリトゥード』に比べてもさらにエンタメ寄り。 川添先生…

サマーウォーズを久しぶりに見て思う自身の老化

サマーウォーズを久しぶりに見た。結論から言うと、全体としては佳作だと思う。 でも、正直ちょっとキツかった。なんというか、目を背けたくなる瞬間が何度かあった。 昔見たときはそんなことなかった気がするので、これって単純に自分が大人になったという…

世界神話という概念――『世界神話入門』読書メモ

この本は、「世界神話」という少し曖昧で、しかし魅力的な概念を扱っている。ただし、ここでいう世界神話とは、単に世界各地の神話を集めたもの、という意味ではない。 むしろ筆者が関心を向けているのは、世界各地に存在する神話のあいだに見られる共通の構…

『きさらぎ駅/きさらぎ駅 Re』感想 ― ネット怪談の映像化と“人怖”への着地

「きさらぎ駅」といえば、ネットオカルトをかじったことのある人なら一度は目にしたことがあるだろう有名な怪談だ。 大学生の頃からネットにどっぷり浸かっていた身としては、オカルト板まとめや「洒落怖」「先輩シリーズ」などを読み漁っていた時代の記憶と…

神話はなぜ似ているのか?――『世界のはじまりの神話学』読書メモ

この本は神話とくに、はじまりの神話、起源の神話にフォーカスして解説した本である。 角川選書ビギナーズシリーズということもあり、この本はかなり読みやすい。 神話という広くてとっつきにくいテーマに対して、入り口としてはとても優れていると感じた。…

青春とはチャンバラである!――『サマーフィルムにのって』考察

なぜ夏にタイムリープは起きるのか? 「なぜ、タイムリープは夏に起きるのか?」 SFという舞台装置とともに夏という舞台は幾度となく現れてきた。 そして『サマーフィルムにのって』もやはりそのSFと夏という舞台装置の上に作られた映画であった。 そしてそ…

じんわりと胸に残る余韻 ―映画『兄を持ち運べるサイズに』を観て

最近、『兄を持ち運べるサイズに』という映画を観た。 じんっときた。 この作品には、いわゆる“特段のドラマ”はない。だらしない兄が突然亡くなり、その後始末をしに妹が向き合っていく――ただそれだけと言えばそれだけの物語だ。でも、その淡々とした運び方…

映画『箱男』を観て ー孤独と観測の物語ー 箱の印字に関する考察

安部公房の小説を原作とする映画『箱男』を観てきた。原作は高校生の頃に一度読んだ記憶があるが、かなり昔のことで、内容はぼんやりとした輪郭しか残っていなかった。だからこそ今回の映画体験は、再読ではなく、ほとんど「再発見」に近いものだった。

国宝を映画館で観た〜記録と少し考察〜

話題の映画 国宝を観に行った。 感動したので記録。物語の主軸は歌舞伎役者のお話。戦後くらいから主に1980年 90年代くらいまでを中心として2010年代くらいまでが描かれている。主人公は歌舞伎役者の家の子ではなく、ヤクザの子供として産まれて 親分だった…

ヘレディタリー/継承を観る、そして考察する

アリ・アスター監督の作品、ヘレディタリーを観た。 なかなかに面白いホラー作品であったが、解釈が難しいところや幅がありそうな作品だったので記録と感想と共に残しておく。 リンク以下はネタバレありなので注意。

ギャラリーフェイク作品リスト26〜32巻

ギャラリーフェイクに出てくる絵画等をリスト化する記事第6回 今回は26~32巻 32巻でひとまず一区切りなので今回は30巻まででなく、32巻までのリストにした。ギャラリーフェイク(26) (ビッグコミックス)作者:細野不二彦小学館Amazon これまでの記事はこ…

ギャラリーフェイク作品リスト21~25巻

ギャラリーフェイクに出てくる絵画等をリスト化する記事第5回 今回は21~25巻ギャラリーフェイク(21) (ビッグコミックス)作者:細野不二彦小学館Amazon これまでの記事はこちら 第1回 1~5巻 calciummm.hatenablog.com第2回 6~10巻 calciummm.hatenablog…

発酵はじめました〜ザワークラウト作成記〜

発酵がしたいといいつつなかなか踏み切れていなかったスタートをザワークラウトにてはじめて切った。 自分用の記録としての意味合いが強い。割と簡単にできることがよくわかったのでこれからもっと作っていきたい。

Book Market2024戦利品

Book Market 2024に行ってきた。こういう本のイベントに行ってみるのは初めてかも。 1時間30分くらい見て回ろうと思っていたら楽しくて3時間くらい見て回ってしまった。 こちらのバッグは購入特典としてもらえるもの。 このバッグがパンパンになるくらい…

駅弁の記録〜いやぁ弁当っていいもんですねぇ〜

新幹線に乗って移動すると自然と駅弁を食べる機会が増える。せっかくだから何を食べてたのか記録しておこうという試み。

古賀及子さんのエッセイを読む〜気づいたことと気づかないままのもの〜

「気づいたことと気づかないままのもの」というタイトルの古賀及子さんのエッセイを初めて読んでみた。古賀さんの文はデイリーポータルZのなかでもすきでよく読んでいたが、紙の本になったものは初めてだ。好きだと言っておきながらブログをやってらっしゃる…

ギャラリーフェイク作品リスト16~20巻

ギャラリーフェイクにでてくる絵画や作品についてリスト化していく記事、第4弾。 今回は16~20巻について。ギャラリーフェイク(16) (ビッグコミックス)作者:細野不二彦小学館Amazon 以前の記事についてはこちら 1~5巻 calciummm.hatenablog.com…

歌舞伎町と貧困女子を読んだ記録

3年前くらいだろうか友人のTから大久保公園を見に行ったと聞いた(あまりいい趣味とは言えないが)。 それでより強く興味を持つようになったのが歌舞伎町の売春とトー横キッズだ。トー横キッズがここまで話題になる少し前だったのではないかと思う。 ルポ中…

読書感想:現場で役立つ! セクハラ・パワハラと言わせない部下指導--グレーゾーンのさばき方

あっちを見てもハラスメント。こっちを見てもハラスメント。 何にでもハラスメントが命名される世の中で、いつの間にか聞いたことのないハラスメントが世にあふれている。 ハラスメントの名前を覚えるのにも苦労するような時代。 少しネット検索すれば35個や…

ギャラリーフェイク作品リスト11~15巻

ギャラリーフェイクに登場する美術品に関するリスト化記事の第三弾。 今回は11巻から15巻。ギャラリーフェイク(11) (ビッグコミックス)作者:細野不二彦小学館Amazon1~5巻はこちら calciummm.hatenablog.com 5~10巻はこちら calciummm.hatenablog.…

ギャラリーフェイク作品リスト6~10巻

ギャラリーフェイクに出てくる美術品などをリスト化する作業の2回目6~10巻について。ギャラリーフェイク(6) (ビッグコミックス)作者:細野不二彦小学館Amazon前記事はこちら。 calciummm.hatenablog.com

ギャラリーフェイク作品リスト1〜5巻

最近芸術づいてたこともありギャラリーフェイクを読み直している。 読み直しのついでに出てきた作品や取り扱った作品をリスト化してみようと言う試み。それぞれバラバラの知識も繋ぎ合わせれば強固なものになっていくだろうから。 リンク

アルジャーノンに花束を読んで〜私には怖い小説に思えた〜

アルジャーノンに花束を読んだ。 感動の物語であることがよく語られる小説であり、SFの古典としても大変に有名な作品であるから以前から読みたいと思っていた。 読んでみると私が抱いた感想は多くの人のそれとは違うんじゃないだろうかと感じるほどこの小説…

関心領域を観る~考察めいたもの~

劇場でアウシュビッツ強制収容所の隣に住む収容所の司令官の家族を描く関心領域を観た。 www.youtube.com

「君はペット」自家製カルトクイズ

小川彌生作のマンガ君はペットに関するdeepめなクイズを作ってみた。 実際単行本にもカルトクイズが存在するけどそれとは全く別物。単行本に準拠。単行本の順番に出てきた内容になってます。反転で正解が見れます。 リンクQ主人公のすみれが外報部から生活情…

現代に再来した踏み絵~朝井リョウ 正欲の考察~

恐ろしい小説だ。そう感じざるを得なかった。小説として楽しい部分が多く、ページをめくってしまうようなおもしろさが始終続くのにも関わらず、 ずっとお前の立ち位置はどこなんだとナイフを突きつけられて問われ続けているような、現代に再現した「踏み絵」…

鬼とはどういう存在か~鬼とはなにかを読む~

鬼とはなにか まつろわぬ民か縄文神か 戸谷学著を読んでみた。 リンク鬼というテーマも惹かれるものがあるのだが、縄文神や忘れられてしまったあるいは乗っ取られてしまった神々という存在が私にとって非常に惹かれるテーマの一つだからだ。 というのは私の…

ここ最近ジブリづいているので三鷹の森ジブリ美術館に行ってきた

去年から今年にかけて私はジブリづいている。 というのも映画を今までにないくらい見ている。どんぐり共和国にもいままでにないくらい行っている。本も買って読んでいる。ジブリ作品をそこまで見ていなくて非国民とまで言われた(ひどい話だ)私がこれだけ短…

過去のプロパガンダか未来への警鐘か~1984年を読む~

SFの名作を読もうということで、前から読みたかった1984を読んでみた。 単純に言えば、作者ジョージ・オールウェイズの前作ら動物の場と同じく反共思想が現れたSF小説であると言うことができる。しかし、反共であると言うこと以上に、そのディストピア世界観…